2017年9月30日土曜日

課外講座:「キャプション」のコンセプトについて

課外講座:「キャプション」のコンセプトについて 講師
上崎千(芸術学)、 石川卓磨(美術 家)・森田浩彰(美術家) 
開講日:平成29年9月29日(金)18時00分〜 
開講場所:武蔵野美術大学2号館206講義室

2017年9月15日金曜日

文化情報誌『季刊まちりょく』に展覧会情報が掲載されました。

仙台市民の文化情報誌『季刊まちりょく』に、「雲をつかむできごと 石川卓磨+多田由美子 展」の告知が掲載されました。



TALION GALLERYの『犬死にか否か』に参加します。

TALION GALLERYのグループ展に参加します。オープニングまであと約一週間です。 石川卓磨、槙原泰介、ミヤギフトシ 「犬死にか否か」2017.9.16 - 2017.10.15 http://www.taliongallery.com/jp/upcoming/



石川卓磨、槙原泰介、ミヤギフトシによる3人展『犬死にか否か』 - CINRA.NET(シンラドットネット) dlvr.it/Pn0S93
Tennis (Blow-Up『欲望』 | Kiyotaka Suzuki, Aisa Shirai, Daisuke Awata)
Filming location No. 1 ,No2 (Blow-Up『欲望』 | Tatekawa first park) を出品してます。
説明がないと伝わらない部分がある。タイトルからもいろいろ推測できる部分はある。断片的に説明すると、これはミケランジェロ・アントニオーニ監督作の『欲望』の断片的なリメイク的作品です。youtu.be/eOXa5wi0nQs
これは『欲望』のエンディングのシーンで、ジジェクも分析してるように、映画全体を象徴するシーンです。作品写真を撮ろうと公園でスナップ写真を撮影していた主人公は、プリントした時に写真の中に死体が写り込んでいる。現場に行って死体を目視もするが、死体がなくなる。そこから始まるストーリー。
事件を保証する死体という存在の有無と、最後のテニスのゲームにおけるボールの有無がリンクしている。それは物質の所有や消費の構造と結び付けられている。今回僕は事件性や見えないものをテーマにしています。ロケハンで見つけた最適な公園が、本当の死体遺棄現場だったことも僕には重要な問題です。
事件を保証する死体という存在の有無と、最後のテニスのゲームにおけるボールの有無がリンクしている。それは物質の所有や消費の構造と結び付けられている。今回僕は事件性や見えないものをテーマにしています。ロケハンで見つけた最適な公園が、本当の死体遺棄現場だったことも僕には重要な問題です。
かなり断片化してますが、コンテクストレベルではここら辺が前提にあります。その上で写真や映像を観ていただけると、フォーマルというか、視覚的なエフェクトの意味がまた違って見えてくると思います。説明しないと見えないというのは、観てわかる部分と見てわからない部分を共存させてるからです。
ミヤギフトシさんや槙原泰介さんの作品にしても、そういう背景を知るとぐっと意味が広がるところがあるなと思います。ヒントは散りばめられている。見てもわからないから傲慢だということではなく、こういう部分をヒントとしてはめ込みながらミニマルな表現に落とし込むのは挑戦だなと思います。

2017年8月21日月曜日

蜘蛛と箒企画特別講座を開催いたします。



蜘蛛と箒企画特別講座:
石岡良治「ゴンブリッチ再訪:カリカチュア論からその現代的意義を考察する」

エルンスト・ゴンブリッチ(1909-2001)のイメージ理論を、カリカチュア研究における精神分析美学との関連に注目しつつ、その現代的意義について考察するレクチャー。


開催日時:2017年9月17日(日)19:00-21:00
開場時間:18:30–
開催場所:武蔵野プレイス・スペースC
(武蔵野市境南町2-3-18 武蔵境駅から徒歩1分程度)
料金:1,500円
定員:35名 

※事前予約制 お名前、人数、ご連絡先のメールアドレスまたはお電話番号をご明記の上、aslspbank@gmail.comまでご連絡ください。
定員に達したため募集は締め切らせていただきます。







(左)オノレ・ドーミエ 《洋梨》(1831)、(右)ジョン・コンスタブル《ウィヴンホー・パーク、エセックス》(1816)



 ゴンブリッチは、20世紀のベストセラー美術書『美術の物語』(初版1950)の著者として知られるのみならず、主著『芸術と幻影』(1960)など、認知科学の進展をふまえた理論的著作でも有名な美術史家である。オーストリア系ユダヤ人として生まれ、ウィーン大学で美術史を学ぶも、ナチス台頭から「アンシュルス」(1938年のドイツによるオーストリア併合)に至るユダヤ人迫害に伴い1936年にイギリスに亡命。ウォーバーグ研究所(アビ・ヴァールブルクの蔵書を基礎に1921年ハンブルクで設立されたが、ユダヤ人迫害から避難すべく1933年ロンドンに移転)に職を得て後年所長もつとめた。

 ゴンブリッチのイメージ理論は、J・J・ギブソンやR・グレゴリー、U・ナイサーなどの視知覚をめぐる認知科学との交流によって形成され、今なお認知科学ないしは脳科学から美術作品を考察する際には不可欠の参照源となっている。またゴンブリッチは自身の理論を明示的にカール・ポパーの反証主義と関連付けており、ポパー同様「ヘーゲルやマルクスなどの歴史主義批判」「反証可能性を有さない精神分析への疑義」「方法論的個人主義に基づく社会的な審級への不信」をたびたび示していた。

 ゴンブリッチ理論のこうした側面は、ときに「還元主義」として賛否両面から受容された。主な批判としては、20世紀終盤に英語圏における批評理論との関連で興隆した「ニューアートヒストリー」の観点から、事物の自然主義的再現を特権視しているとみなされたことが挙げられる(ノーマン・ブライソンによる批判)。またアビ・ヴァールブルクの評伝において、「イメージの両義性」をめぐる理論的錯綜を単純化することでヴァールブルクの射程を取り逃すなど、クリアカットな議論の明晰性が、一定の犠牲の上に成り立っているのではないかという疑念が示されるのは、そうした状況の現れと言えるだろう。

 けれども同時に指摘されなければならないのは、精神分析を疑似科学と断じたポパーとは異なり、ゴンブリッチはその著作活動を通じて、エルンスト・クリス(1900-57)の精神分析美学を参照し続けていた事実である。ウィーン大学で美術史を学び、かつフロイトの精神分析運動にも参与していたエルンスト・クリスは、アメリカに亡命後は自我心理学を展開したが、ウィーン大学における研究が危機に瀕していた時期、カリカチュアについてゴンブリッチとの共著を執筆していた。共著は最終的に草稿にとどまったが、ここから二人はそれぞれ複数の論文を書き、『芸術の精神分析的研究』(クリス)や『棒馬考』(ゴンブリッチ)に収められている。

 カリカチュアをめぐる考察は、上述したゴンブリッチ理論についての大まかな描像を捉え直す上で重要であるのみならず、「精神分析から脳科学へ」と言い表されることもある研究動向の変遷を、別の仕方で捉え直すことを可能にする。カリカチュア論は、ゴンブリッチの多面的な活動をつなぎとめる「蝶番」の役割を果たしており、芸術とポピュラーカルチャーの関係、そして芸術が歴史をもつ理由と観者の役割など、理論と歴史の双方において決定的な重要性をもっている。また、カリカチュアに即して提起された、イメージの脱魔術化や素描的「表現」をめぐる洞察は、近年のイメージ人類学や神経系人文学をめぐる動向との関係において、ゴンブリッチの現代的意義を考察する上でもきわめて重要であるように思われる。



参考資料:
1)「The Gombrich Archive」( https://gombrich.co.uk )

2)クリストファー・ウッドの『芸術と幻影』評(https://webspace.yale.edu/wood/documents/gombrichburlington.pdf … )

3)筑摩書房 PR誌ちくま、石岡良治のコラム「イメージ論を経巡る」(全三回)
「イメージ論を経巡る・1 フータモと機械のトポス」(http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/1136/)

「イメージ論を経巡る・2 ルイス・ウェインのネコと対象の残存」(http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/1157/)

「イメージ論を経巡る・3 イメージ論の「折衝」と平滑空間」(http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/1180/)



プロフィール:
石岡良治(いしおかよしはる)1972年生まれ、批評家、表象文化論。著書に『視覚文化「超」講義』(2014)『「超」批評 視覚文化×マンガ』(2015)。





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2017年8月17日木曜日

執筆者で参加する引込線2017の展示が始まります。

8月26日から、所沢で開催される引込線2017の展覧会が始まります。
2017年8月26日(土)― 9月24日(日)
10:00 ―17:00
休場日:火曜・水曜
会場:旧所沢市立第2学校給食センター(埼玉県所沢市中富1862-1)
ホームページ:http://hikikomisen.com/

なお現在引込線にボランティアで活躍していただける方を募集しています。

「引込線2017」では、ボランティアの方を募集しております!興味のある方は是非よろしくお願いいたします。
ボランティア特典:書籍「引込線2017」を一冊進呈!※全日1回/半日2回です。丸1日ボランティア参加された方には交通費として1,000円支給。半日間のボランティア参加の方には交通費500円支給。

【ボランティア募集のお知らせ】
展覧会「引込線 2017」会場にて、受付・監視等のお手伝いをしてくださる方を募集します。お申し込みは下記、事務局宛に、氏名、年齢、活動希望日を書いてEメールをお送りください。
info@hikikomisen.com

ボランティア概要
期間:2017年8月26日(土)―9月24日(日)
半日からお手伝い頂けます。火・水曜は休場です。

場所:旧所沢市立第2学校給食センター (埼玉県所沢市中富1862-1)

おもな活動内容:
・開場、閉場のお手伝い
・作品と会場の監視業務
・展示作品のかんたんなご案内

活動時間:
・一日の場合 09:50―17:10(休憩、昼休みあり)
・半日の場合 09:50―13:00/13:00―17:10

募集条件:
・平成29年8月26日現在で満18歳以上の方
・ボランティア活動を行うにあたり、引込線2017実行委員会の連絡事項やマニュアル等を遵守できること。

待遇 :
・活動については、原則無償です。
・丸1日ボランティア参加された方には交通費として1,000円支給。半日間のボランティア参加の方には交通費500円支給。(当日支給)
・ボランティア活動に1日間以上参加した方には、展覧会後に発行される書籍「引込線 2017」を一冊差し上げます。(半日×2回も一日扱いとなります)
・ボランティア活動参加者に感謝の意を表し、書籍「引込線 2017」と引込線2017公式ホームページに一人一人のお名前を掲載します。
※半日からボランティア活動に参加頂けますが、書籍「引込線 2017」の進呈は合計1日間以上お手伝い頂いた方が対象となります。ご注意下さい。
詳しくはホームページでご確認ください。

2017年8月15日火曜日

美術手帖にレビューを寄稿しました。

‪美術手帖9月号に、森美術館の企画「MAMスクリーン」で上映されているカミーユ・アンロについてのレビュー「軽やかにかわして結び直す|MAMスクリーン006:カミーユ・アンロ」を書きました。
アンロは2013年のヴェネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞した作家です。‬

2017年7月4日火曜日

蜘蛛と箒企画特別講座:「デーヴィッド・チュードアの器楽」中井悠

蜘蛛と箒では、国内外で多岐にわたる活動を行っているアーティストであり、ニューヨーク大学大学院で博士号を取得したデーヴィッド・チュードアの研究者である中井悠さんをお呼びして、特別講座を開催いたします。


蜘蛛と箒企画
特別講座:
中井悠「デーヴィッド・チュードアの器楽」

開催日時:2017年7月23日(日)19:00-21:00
開場時間:18:30–
開催場所:武蔵野プレイス スペースC

料金:1,500円
定員:35名 

※事前予約制 お名前、人数、ご連絡先のメールアドレスまたはお電話番号をご明記の上、aslspbank@gmail.comまでご連絡ください。


※募集を締め切りました。ありがとうございました。




 デーヴィッド・チュードア(1926−1996)は、圧倒的に卓越した演奏技術と難解な楽譜を「パズル」として解く天才的な能力によって、1950年代から60年代にかけてジョン・ケージ、ブーレーズやシュトックハウゼンなど名だたる実験/前衛音楽作曲家たちの信頼を一身に集めたピアニストとして主に知られています。しかしチュードアのピアニストとしての10年余りの活動は、半世紀以上にわたって繰り広げられたかれの長いキャリアのほんの一部にすぎません。それ以前のオルガニストとしての活躍やそれ以降の電子音楽のパイオニアとしての活動は、その重要性や影響力の大きさに比してこれまでほとんど論じられることはありませんでした。この欠落--その理由は複合的で根深いのですが--は単にチュードアが生みだした音楽に対する無理解だけではなく、演奏者としてのチュードアの類稀な能力に依存しつつもその内実を括弧入れすることで形成された実験/前衛音楽のドグマティックな言説を、それに無批判的に寄り添う研究者たちの通り一遍の見識とともに、いまに至るまで温存させてきました。しかしながら、ぼくがここ数年間断続的に行なってきた研究によって、近しいコラボレーターでさえも知らなかったチュードアの自作楽器/回路と、それらをネットワーク状に組み合わせて作り出される作品の作動方式を大方解明することができました。またそこから翻ってピアニスト、さらにはオルガニストとしてのチュードアをこれまでとはまったく別の角度から検証することが可能となりました。オルガンからピアノへ、ピアノからアンプリファイド・ピアノへ、バンドネオンそして電子楽器、さらには「孤島」に至るまで、使用楽器を絶えず持ち替え、「作曲家/演奏家」などといった従来のカテゴリー区分を軽やかに転覆させつつ、独自の音楽を作りつづけたチュードアの生涯から浮かび上がるのは、「音」と「聴取」に固執する周囲の作曲家たちの言説(そしてそれを鵜呑みにした研究者や批評家たちの認識)を実践的にも理論的にも条件づけながらも(それゆえに)顧みられることのなかった、音の生成に関わる物質的プロセス、すなわち「楽器」をめぐる特異な思考と実践です。このレクチャーでは従来の現代音楽観を揺るがすこうしたチュードアの器楽の内実を、現在執筆中で来年オックスフォード大学出版局から出版される予定の、世界初となるチュードアの研究書「Reminded by the Instruments: David Tudor’s Music」から抜粋するかたちで紹介します。チュードアの精神に習って、なるべく具体的に(つまり抽象論は後回しにして)、残された資料やデータを組み合わせながらパズルを解くように事例を解析していきます。電子回路についてももちろん論じますが、電子工学の知識があまりなくても解読作業は追えるはずです。
*チュードアの音楽を聴いたことがない方は、YouTubeにも最近アップロードされたこのブートレグの演奏がすばらしいので(再生回数が200程度だけど 笑)、まずはここからでも:https://www.youtube.com/watch?v=Ev76oaxThLc(これについてはたぶん論じる時間がありませんが、実はチュードアの生前最後のパフォーマンスです)


プロフィール
中井悠(なかいゆう)
No Collective(http://nocollective.com)のメンバーとして、ニューヨークをベースに、音楽(家)や舞踏(家)、演劇(台本)、絵本、お化け屋敷、理論(家)などを世界各地で制作。2014年にLeonardo Music Journal(MIT出版)により、いまテクノロジーを使っておかしなことをしているアーティストの一人に選出された。比較的うまくいった最近のプロジェクトとしては、ダンス作品だと思われている「Vesna’s Fall」(Judson Church, New York / Black Mountain College, North Carolina / Queens Museum など, 2014-15 [http://nocollective.com/v.html])と「House Music」(KurturRaum, Berlin / University of the Arts, Helsinki, 2014-15 [http://nocollective.com/hc.html])や、ドッペルゲンガー式室内楽「Immaculate Conception」(mise-en_PLACE, New York, 2016 [http://nocollective.com/i.html])、諸々の影響下において「影響」についての理論を構築せんとする「Writing Under Influence」(San Diego, 2017 [http://nocollective.com/text/])など。No Collectiveの活動に関するまとまった論考としては”Music and Its Double”(TDR, MIT出版, 2017)、”The End of Choreography As We Know It”(Performing Arts Journal, MIT出版, 2016)など。またインディペンデント出版社Already Not Yet(http://alreadynotyet.org)をブルックリンで共同運営、無料ジャーナルMatters of Actを毎年一冊のペースで刊行している(http://alreadynotyet.org/04.html)。制作活動のかたわら学術研究も行ない、近年はデーヴィッド・チュードアの音楽の調査に時間を費やした。その研究で昨年ニューヨーク大学大学院から博士号を取得、現在博論をベースとするデーヴィッド・チュードア論をオックスフォード大学出版局との契約のもと執筆中。チュードアが1970年初頭に作ったグループ、コンポーザーズ・インサイド・エレクトロニクスのメンバーとして、チュードアの作品もときどき演奏している。日本にいた時は東京大学大学院(表象文化論)や四谷アートステュディウムなどに所属。