2013年11月17日日曜日

トークイベント「福沢一郎をめぐって」を行います。

お時間がありましたらよろしくお願い致します。

前夜/前線 ― クリティカル・アーカイヴ vol.2
トークイベント Session 3:「福沢一郎」をめぐって

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今夏より、ユミコチバアソシエイツにて実施しているプロジェクト「前夜/前線―クリティカル・アーカイブ vol.2」。
本プロジェクトでは、主として1930年代~50年代に第二次大戦を通して新たな絵画的諸問題に直面した画家たちの実践を取り上げながら、20世紀絵画を独自の視点から論じることを目的としています。

第3回目のトークイベントには、シュルレアリスムの画家として知られる「福沢一郎」を取り上げます。
ゲストとして弘中智子氏(板橋区立美術館学芸員)を招き、企画者の石川卓磨(作家、美術批評)、沢山遼(美術批評)とともに、福沢一郎とその作品をめぐり対談します。
ぜひ、ご参加ください。


■「福沢一郎と戦争 人間像の崩壊と再生」 弘中智子
福沢一郎(1898-1992)は、1931年の独立美術協会展でマックス・エルンストのコラージュに着想を得た絵画をパリから大量に発表し、美術界に衝 撃を与え、若い追随者が続出したこともあり、日本のシュルレアリスム絵画の先駆者となった。しかし、彼が、エルンスト風のコラージュ絵画を制作したのは、 パリ留学時代の一時期に限られており、帰国後の彼の作品は、ヨーロッパのシュルレアリスムの影響が弱まり、満州に取材した《牛》《人》など、日本の社会や 時事問題を取り上げた、福沢独自の社会性の強いものとなった。
1930~40年代の福沢の作品は、帰国、満州旅行、日本のシュルレアリスムと共産主義思想の関係を疑われた逮捕などに伴い、コラージュ絵画から、満州を テーマにした《牛》、彼が代表を務めた美術文化協会を存続させるために描いた戦争画、戦後の《敗戦群像》へと画題が大きく変わっていく。
一方、戦後、福沢は自身の作品について「戦前も戦後も主張に於いて変わりはない」と述べた。時代やテーマは違えども、彼が一貫して描いたのは「人間像」で ある。福沢は人間を描くことで、社会への主張を継続した。コラージュ絵画において記号として描かれた人間、《牛》の地平線に崩れこむような人間、《敗戦群 像》の再起する人間の姿は、いずれも福沢が各々の時代に見つめた人間像である。
今回は、福沢一郎の1930~40年代の作品に描かれた人間像の崩壊と再生に着目し、戦争を挟む時代の彼の絵画思想に迫りたい。


■トークイベント Session 3: 「福沢一郎」をめぐって
弘中智子(板橋区立美術館学芸員) × 石川卓磨(作家、美術批評)× 沢山遼(美術批評)
11月30日(土) 18:00-20:00、事前予約制、参加費¥500(レジュメ付き)
【お申し込み方法】
件名「福沢一郎トークイベント」、お名前、ご住所、電話番号をご明記のうえ、
event@ycassociates.co.jpまで、メールにてお申し込みください。
・定員(25名)に達しましたら、受付を終了いたします。
・ギャラリーからの返信メールが届かない場合は、営業時間内にお問合せください。


[出席者プロフィール]
弘中 智子(ひろなか さとこ)
1979年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科修了、同大学院博士課程在学中。2006年より板橋区立美術館学芸員。
主な展覧会に「新人画会展」(2008年、板橋区立美術館)、「福沢一郎絵画研究所展」(2010年、同)、「池袋モンパルナス展」(2011年、同)など。主な論考に「帝国美術学校学生とシュルレアリスム」(『武蔵野美術大学研究紀要』No.43、2012年)など。

石川 卓磨 (いしかわ たくま)
1979年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修了。作家、美術批評。
主な展覧会に「世界と孤独Vol.2 石川卓磨展」(2012年、日本橋タカシマヤ6階美術画廊X)、など。主な評論に「クリストファー・ウィリアムスのリンゴ」(『所沢ビエンナーレ「引込 線」2011』)、「折り返される場所 “アメリカ抽象絵画の巨匠バーネット・ニューマン”展」(『美術手帖』2010年11月号)など。

沢山 遼 (さわやま りょう)
1982年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修了。美術批評。
主な論考に「ジャクソン・ポロック―隣接性の原理」(『ART TRACE PRESS 01』2012年、ART TRACE)、「盲目的遮蔽空間―先キュビスムと《アヴィニョンの娘たち》」(『ART CRITIQUE n.02』2012年、constellation books)「繋辞なき反復―高松次郎の非-命題」(『Jiro Takamatsu Critical Archive 高松次郎論集vol.1』2012年、ユミコチバアソシエイツ)、「「意識的構成主義」という名のオートマトン─村山知義と身体の衝撃」(『引込線 2013』2013年、「引込線 2013」実行委員会)など。



■本件に関するお問合せ■
Yumiko Chiba Associates ユミコチバアソシエイツ
東京都新宿区西新宿4-32-6パークグレース新宿#316
Tel:03-6276-6731 
E-mail:info@ycassociates.co.jp

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