Exhibition Statement
「長い夢を見ていたんだ。」は、夢から現実へと移行したことを説明している状態を示しています。場合によって は、受け入れがたい現実を経験したがために「あれは夢だった」と言い聞かせているニュアンスにも捉えられま す。夢とは、必ずしも眠りの中で見る現象に限定されず、多義的な意味合いを持ちますが、現実という言葉もまた 曖昧です。社会学者である大澤真幸は、現代社会にみられる「現実への逃避」という現象を語るにあたって、“ 究極 の「現実」、現実の中の現実ということこそが、最大の虚構であって、そのような「現実」がどこかにあるという想 定が、何かに対する、つまり〈現実〉に対する最後の隠蔽ではないのか ” と書いています。そして、シュルレアリス トやダダイストたちが、この現実を考えるうえで、夢にとり憑かれたのは、当時の政治的状況とも無関係ではあ りません。長い夢とは現実そのものかもしれないし、目覚めの後にやってくるのが現実とは限りません。この不 安定な状態において、いま、作家たちは、そして芸術は、どういう態度、思考、方法を示すのか。その問いを見る場 として展覧会を考えています。
石川卓磨キュレーション展 「長い夢を見ていたんだ。|I’ve Been Dreaming for a Long Time」
外島貴幸、豊 嶋康子、箕輪亜希子、吉田正幸 2013年12月14日(土) - 2014年1月11日(土) オープニングレセプション:2013 年 12 月 14 日 ( 土 )18:00 - 20:00 年末年始の休廊:12月31日(火) - 1月3日(金)
TALION GALLERY
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